【鍼灸師が解説】夏に眠れないのはなぜ?熱帯夜の不眠を和らげるツボとお灸

こんにちは。
相模原市緑区橋本駅徒歩2分の鍼灸院、はりきゅうマザーステラの鈴木です。
エアコンを消すと暑くて目が覚める。つけたままだと、朝には身体が冷えてだるい。
布団に入っても、なかなか寝つけない。
やっと眠れたと思っても、明け方に目が覚めてしまう。
――夏になると、そんな夜が増えていませんか。
「夏だから仕方ない」「年のせいかな」そう思って諦めてしまう方が多いのですが、夏に眠れなくなるのには、ちゃんと理由があります。
この記事では、「なぜ夏は眠れないのか」を自律神経と東洋医学の両面から解説し、ご自宅でできるツボとセルフお灸をお伝えします。
夏に眠れなくなるのはなぜ?
人は「体温を下げながら」眠る
意外に思われるかもしれませんが、私たちは身体の内部の温度が下がることで、眠りに入ります。
夕方から夜にかけて手足がぽかぽかしてくるのは、身体が熱を外に逃がして、内側の温度を下げようとしているサイン。この“熱を捨てる”作業がうまくいくと、自然と眠くなります。
ところが熱帯夜は、外が暑すぎて熱を捨てられません。つまり、眠りのスイッチが入らない——これが、夏に寝つけない一番の理由です。
冷房の冷えが、かえって眠りを妨げる
では冷やせばいいのかというと、話はそう単純ではありません。
日中は炎天下、室内はキンキンの冷房。この行き来のたびに、自律神経は体温調整でフル稼働しています。梅雨どきの寒暖差疲労と同じ構図が、夏はもっと激しい形で起きているのです。
自律神経が疲れきると、夜になっても「休むモード」にうまく切り替わりません。疲れているのに眠れないのは、このためです。
東洋医学では「汗で”陰”を消耗する」と考える
ここからが、当院が大切にしている見方です。
東洋医学では、身体をうるおし冷ます力を「陰(いん)」と呼びます。血液を除く水分やうるおいが身体を鎮める働きのことです。
夏は汗をたくさんかきます。汗とともに出ていくのは水分だけではなく、この「陰」そのもの。陰が減る(陰虚)と、身体を冷ます力が弱まり、内側に熱(虚熱)がこもります。
- 火照って眠れない
- 口や喉が渇く
- 夢をよく見る、眠りが浅い
夏の不眠にこうした症状が重なるのは、「陰」が消耗しているサインと考えます。だから対策は、こもった熱を下ろし、うるおいを補うことが中心になります。
同じ「眠れない」でも、原因は人によって違います
ここで、大切なことをお伝えしておきます。
ひとくちに「眠れない」と言っても、
- 布団に入っても寝つけない
- 寝つけるけれど、途中で目が覚める
- 寝ても疲れが取れない
これらは、東洋医学ではまったく別のものとして扱います。原因が違うからです。
そして——原因が違えば、効くツボも違います。
ですから、まずご自分がどのタイプに近いかを見ていきましょう。
あなたはどのタイプ? 夏の不眠セルフチェック
当てはまるものにチェックを入れてみてください。いちばん多くチェックがついたタイプが、今のあなたに近い傾向です。
① 火照って眠れない型
② 頭が冴えて眠れない型
③ 疲れているのに眠れない型
タイプは、ひとつにきれいに分かれないことがほとんどです。2つ、3つと重なっていても自然なこと。次の章で、タイプ別のツボとお灸をご紹介します。
タイプ別・眠りを整えるツボとセルフお灸
タイプごとに、ご自宅でできるツボをお伝えします。押しても、お灸で温めても構いません。
ツボの位置は「ご自分の指の幅」を基準に探してみてください。
① 火照って眠れない型 ― こもった熱を、下に下ろす


② 頭が冴えて眠れない型 ― 高ぶった気を、鎮める


③ 疲れているのに眠れない型 ― 足りないものを、補う


どのタイプにも ― 失眠(しつみん)

の名のとおり、眠りのために古くから使われてきたツボです。ここは押すよりお灸が向いています。かかとは皮膚が厚く、じんわり温めるのが効果的。
セルフお灸のすすめ:市販のお灸(せんねん灸など)で、寝る30分〜1時間前に。熱さを感じたらすぐ外し、やけどにはくれぐれもご注意ください。就寝直前より、少し前に済ませておくほうが眠りに入りやすくなります。
夏の夜を整える、暮らしの養生
エアコンは「消す」より「弱く、一晩中」
寝る前だけ強く冷やして、タイマーで切る——これが一番自律神経に負担をかけます。設定温度を上げて、朝まで弱くつけっぱなしのほうが、身体は楽です。冷気が直接身体に当たらないよう、風向きだけ調整を。
汗で失った「うるおい」を補う
夏野菜(きゅうり・トマト・冬瓜)は身体の熱を冷まし、うるおいを補ってくれます。冷たい飲み物の一気飲みは胃腸を弱らせるので、常温をこまめに。
寝る前のお風呂とスマホ
ぬるめのお湯に短めに。一度身体を温めてから深部体温が下がるときに、眠気が来ます。そして寝る前のスマホは、せっかく鎮めた頭をまた冴えさせてしまいます。
ここまでは、ご自身でできます。ただ──
ここまでお伝えしたことは、どれもご自宅でできることばかりです。ぜひ試していただきたいと思っています。
そのうえで、お伝えしておきたいことがあります。
先ほどのタイプ分けは、実はきれいに分かれません。
- 2つ、3つと重なっている方がほとんどです
- 季節や体調によって、タイプそのものが変わります
- そして、本当にその方に合うツボは、脈を診てはじめて決まります
私たちは脈やお腹、顔色などから、その方の身体で今なにが起きているのかを診て、使うツボを決めています。同じ「眠れない」で来られた方でも、選ぶツボはひとりひとり違います。
ですから、もしセルフケアを試して変わらなかったとしても、それはやり方が下手なのではありません。選んだツボが、今のご自分に合っていないだけかもしれません。
はりきゅうマザーステラでは、「眠れないから眠りのツボを使う」のではなく、「なぜ、あなたに、その不眠が出ているのか」を身体全体から診ていきます。
▶ 不眠の鍼灸治療について:https://hariq.jp/fumin/
よくある質問(FAQ)
Q夏の不眠は、いつまで続きますか?
A.涼しくなると自然に戻る方が多いですが、夏の疲れは秋に持ち越されることもあります。「毎年、夏の終わりから体調を崩す」という方は、夏のうちに整えておくと違います。
Qエアコンはつけたまま寝てもいいですか?
A.はい。設定温度を高めにして、朝まで弱くつけておくほうが、切ったり入れたりするより身体への負担は少なくなります。冷気が直接当たらないようにだけ気をつけてください。
Qツボ押しとお灸、どちらがいいですか?
A.どちらも有効です。手軽さならツボ押し、冷えや疲れが強いときはお灸が向いています。かかとの失眠のように、お灸のほうが向いているツボもあります。
Q睡眠薬に頼りたくないのですが…
A.お薬の続け方・やめ方は、必ず処方された医師にご相談ください。そのうえで、身体そのものを整えていく方法として鍼灸を併用される方もいらっしゃいます。
まとめ
夏に眠れなくなるのは、
- 暑さで体温を下げられず、眠りのスイッチが入らないから
- 冷房と外気の行き来で、自律神経が疲れきるから
- 汗とともに、東洋医学でいう「陰(うるおい)」を消耗するから
そして同じ「眠れない」でも、原因は人によって違います。
まずはご自分のタイプに近いツボから、試してみてください。眠れないのには理由があり、理由が分かれば、手立てはあります。
暑い夏の夜が、少しでも安らかになりますように。
当院では初診の施術料金を設定していますので、気軽に鍼灸治療をお試しいただけます。
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※本記事は健康情報の提供を目的としたものです。不眠が長く続く場合・つらい場合は、医療機関にご相談ください。

